レインボーの演奏曲目は、アルバム、オン・ステージとほぼ同じだったと、 記憶しています。私の見に行った時はキル・ザ・キングのギターソロの部分も かなり、いい加減な感じで弾いていました。観客の異常な興奮振りに触発されたの でしょうか、リッチーも普段より、派手なアクションで、ギタープレーよりも決めの ポーズが際立っていました。私はギターソロの前の3連符の部分をどう弾いて いるのかが、気になっていたのですが、とてもそれを、確認する余裕など ありませんでしたが、アリーナの中程から見る限りやはり、1,2,3弦へと、 アルペジオする方法で弾いていた様にみえました。今の様に映像が簡単に 見られなかった当時はライブに行って見るしかなかったのです。 一部のアーティストはプロモビデオもあったりしましたが、今の様に家庭にビデオ デッキや、ましてはDVDなどありません、大阪梅田にキューピットという ロックのビデオ映像を流している喫茶店があったのと、サンテレビでは、 「ポップス・イン・ピクチュア」という番組があったのですが、私の家は、映りません でした。動くリッチーを見たのはこの時が初めてだったかもしれません。 コンサートの何ヵ月後に、NHKでレインボーの西ドイツ公演のビデオ放送が あった時は感動しました。 初めて見る、リッチーは髪もかなり増えていて、若々しく見えました。 「あれ、カツラかな?」 と友人と話したのをおぼえています。大混乱の中、演奏も盛り上がり、 「ミストゥリーテッド」が演奏された時です。イントロリフの後コージーのバスドラム の音にタイミングを合わせリッチーが、手を振り上げると、観客も一斉に誰が 音頭とるわけでもなく、手を上に突き上げました。まるでリッチー教の信者さん のようでした。「スティル・アイム・サッド」の途中では、キーボードソロ、それに どちらかといえば、リッチーよりも見たかったコージー・パウエルのドラムソロが ありました。チャイコフスキーの曲に合わせてドラムソロエンディングに マグネシウムの閃光が目を刺激しました。しばらく目がチカチカしましたが、 爆音とともに、物凄い迫力でした。 この当時が、コージーのカッコ良さの全盛期だったと思います。 叩き方も、音も、ルックスも、この頃が一番好きです。 最後に新曲「ロング・リブ・ロックンロール」が演奏され、リッチーが国産のストラト を破壊しました、シールドを握りギターを振り回しながら、客席に投げ込むのです が、ここでもギターの破片を取り合って、大混乱です。 私も友人もなんとか、怪我なく、家路へと向かいましたが、 後日の札幌公演で、残念なことに、19歳の女性が亡くなられました。 この事故以来、コンサートの規制が厳しくなりました。 つづく。